【親子で夢中になりながら、子の地頭力を伸ばす方法とは】
「自分の頭で動く部下の育て方」「ひらめかない人のためのイノベーションの技法」といった著作を持つ異色の農業研究者が、子の可能性を広げる方法を紹介。
こんな悩みがある保護者の方にオススメ
- 「勉強しなさい!」が口癖になってしまう。
- 家庭内で取り組める「子どもを伸ばす方法」が知りたい。
- 子どもの性格に合わせたアプローチの仕方が気になる。
「こうしなければいけない」というマニュアル本ではありません。「おもしろい方法」のタイトル通り、楽しく読み進めることができ、子どもを想う親の心を軽くしてくれる内容になっています。
この記事では、大きなネタバレなしで本の魅力を紹介していきます。
本の魅力3選
「命令」ではなく「提案」で子どもの意欲を引き出す
宿題のことを聞くと「いま、やろうと思っていたのに!」と言い返してきます。放っておいたらやらないくせに!
子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法
宿題(勉強)や持ち物の準備など、子どもの取りかかりがとにかく遅い・後からバタバタするのが目に見えているというのはよくあるお悩みですよね。
お母さんの「段取り力」「先回り力」が優れているからこそついつい言ってしまう言葉。「早くやっておけば後で楽なのに」という気持ちは子どもに伝わらず、「命令」によって主体性が奪われたと感じてしまいます。
筆者は、子どもは大人からの声かけが「命令」なのか「提案」なのかを敏感に察知すると述べています。
子どもの意欲を引き出す「工夫」「仕掛け」が重要です。
子どもを伸ばすために親ができること
筆者は京都大学入学と同時に学習塾を主宰し、不登校児や学習障害児・不良少年を積極的に引き受けた経験があります。また、育児相談や学習指導のボランティア、市民講師も務めています。
わが子を伸ばすために普段からできることとして、筆者は以下のポイントを挙げています。
ほめる・叱る・そそのかす・驚く・おもしろがる
「子どもはとにかくほめなさい」といった単純なアドバイスはありません。
これまでの指導経験や子育て経験を元に「どうすれば子どもの心に響くか」ということがよく考えられています。
「100点取ったの!すごいね!」と、結果だけをほめると、それは言外に「次が98点だったら、もうすごくないね」と伝えたことになります。
「これ、ずいぶん難しそうだね。いつ解けるようになったの?」
「いろんな角度から考えたんだね」
結果ではなく、工夫・努力・苦労をほめてください。
子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法
ほめる際、工夫・努力・苦労に大人が驚く姿・おもしろがっている姿を子どもに見せることが次も頑張るきっかけになります。
- やみくもに叱るのではなく「いけないことだと分かっていて、止めてほしいと思っていること」を叱る
- 注意するのではなく「これが出来たらすごくない?」とそそのかしてその気にさせる
「叱る」「そそのかす」についても、その場限りではなくその後にもつながる伝え方をすることが大切です。
子どもには「なぜ?」と「どう役立つ?」という2タイプがある
子どもの「理解の仕方」は大きく二つに分かれます。「なぜかがわからないと先に進めない子」(以下「なぜ?」さん)と「役立つことがわからないと先に進めない子」(以下「役立つ?」さん)です。理解(納得)の仕方が全然違うので、対応を誤ると、学習が全然進まなくなります。
子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法
私はこの話に最も共感しました。
同じ理解の仕方であれば、自分が過去よかったと思うやり方を伝えることができますが、全く違う理解の仕方であれば、教える側の方が伝え方をよく考える必要が出てきます。
学校や習い事、塾・家庭教師の先生と相性が合うかどうかも、タイプの違いが関係しているのかもしれませんね。
筆者は「2つの理解の仕方」に加えて「3つの個性」「2つの学習スタイル」についても解説しています。
特徴・嫌がること・適切な対応(伸ばし方)が分かりやすく書いてあるので、親子や兄弟姉妹で勉強のやり方・考え方が全然違うという場合は、ぜひ参考にしてみてください!
書籍情報
書籍名:子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法
著者名:篠原 信
出版社:朝日新聞出版
発売日:2018/02/20
頁数:272ページ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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